「全く、お得意様の麗羅の仕事も投げ出してどこに逃げたかと思ったら……暴走族ねぇ。




お仕置きされたいの?」






女は、悪魔のように笑いながら言い放った。




「利亜さんっ、……俺はもうあんたのとこなんか帰りたくないっ!」





妖斗は喉仏から必死に声を絞り出して、反抗した。




「……妖斗」




俺は、そっと震えた妖斗の背中を撫でた。




強くなったな。



ついこの前まで、自分の命なんて簡単に投げ出してたのに、今はこうやって言ってくれる。





こいつにとって、白龍はそれぐらい大事な場所になったんだろうな……。





不謹慎だけど、俺はそれがすごく嬉しかった。