「あーやーと!」 その時、誰かに呼ばれ、どうしようもない寒気が俺を襲った。 ふわっ ――ザク。 「あ゛あ゛っ!!」 後ろから抱きつかれた直後、俺は片足の膝に激痛が襲った。 思わずりんご飴を落とし、俺は喘いだ。 「妖斗!!」 光にぃは俺の腕を引き、彼女を無理矢理俺から引き剥がした。 「……っ! 利亜さん……」 光にぃに膝の裏に刺さったバタフライナイフを抜かれた俺は、そう小声で呟いた。 「こんにちはー、白龍のみなさん。 家のバカ妖斗がお世話になったわね。 この馬鹿犬、……帰るわよ」