「うわー、翼咲が男前に見える。これ絶対夢だ。あ、あたしは真凛だよ。よろしくね?」



真凛はそう棒読みで言い放った。



「同感ね。聖里奈よ、よろしく」




聖里奈も、呆れたように言い放った。





「おいコラ!! 」




「……つ、次楽妖斗、よろしく」






馬鹿にされて怒る翼にぃを無視して、俺は名乗った。






まだ年下だから震えは少なくて、
どうにか挨拶出来たことに内心ほっとした。






そのまま、6人で当たり障りのない話をしながら、俺達は入口に入れるのを待った。





参拝をする頃には、1日の1時近くになっていた。





「妖斗、何お願いするの?」



参拝の直前、隣にいた真凛が俺にそんなことを聞いてきた。




「………願うことなんて、あの日から変わってない」





俺はそう自信満々に言い放った。











………どうか、兄さんが目を覚ましますように。