「うあああああっ!!」




俺は叫び声をあげてベッドから飛び起きた。頭の中に浮かぶのは、夢で見た両親の死体と、ボロボロな兄さんの身体。




夢と現実の区別がつかなくなりそうだ。




「はぁっ、はぁ………。暁にぃっ」


額から流れていた大量の冷や汗を拭い、俺は呟いた。
どうやらすごいかいてたみたいで、インナーにはじっとりと汗がへばりついていた。



いつからだろう、ろくに眠れなくなったのは。……確か、家族が死んだ日の夜からだっけか。




5歳の時、俺は喰蝶(ショクチョウ)という名のマフィアに親を殺され、兄を植物状態にされた。俺はそれから、たった一人で生きてきた。





子供でもできる仕事をやって。



要は、体を売るとかそういう奴。



親が死んだ日の翌日、俺の家は喰蝶に取り壊された。その時に、金も全部とられた。それから俺は、ただ生きるためだけに自分の身体を利用した。



学校という名の金をたかるところには一切通わずに。



親みたいに殺されて死ぬって考えたら、そういうことをやるのも苦ではなくなったんだ。






おかげで、身体中に痕やキズがついてるけど。