「妖斗……」
唇をかみしめていた俺の背中を、光にぃはそっと撫でた。
「……俺はっ、10年前のあの日何もかも奪われました。
俺は、自分の目の前で喰蝶が両親を殺して、兄さんを植物状態にしていた時に、只只泣き叫ぶ事しか出来なかった。
そんなクズに、今更学校に行って、人生を楽しむ価値なんて……っ」
泣きじゃくりながら出した言葉は、最後まで発することが出来なかった。
両親が死んだのも、大好きだった暁にぃが死んだのも、全部俺のせい。
………俺がもっとしっかりしていたら、助けを呼んだりとか、そういうことに気が回っていたら、3人は助かったかもしれない。
……俺が弱くなかったら、3人は助かったかもしれない。
そもそもの話、俺が生まれてなかったら、兄さんが俺を守ってあんなことになるなんてことは……っ。
もはや、何度そう考えたかすら分からない。



