歩いていたら、気分がどんどん悪くなってきた。
……マズい。すごく気持ち悪い。
「はぁっ、はぁ……」
過呼吸みたいに荒くなった呼吸を、俺は立ち止まって整えた。
鼻が痛くて、触れると血が流れていた。
「……ッ!」
どうしようもない悪寒が俺を襲った。
額から物凄い勢いで冷や汗が吹き出す。
オイ。
俺は死ぬのか……こんなところで。
まだ復讐もできていないのに。
「お前、大丈夫か?」
近くでバイクに乗っていた男が、降りて俺に声を掛けてきた。
男は俺の肩を支えた。
その突如、俺の視界は黒く染まった。
「おいっ!!しっかりしろッ!!!」
男の焦っている声が聞こえた。
しかし、俺はそれに答えることも出来ず、眠るように気を失った。