「アハハ、賢まんなくていいよー。久しぶり!聖里奈、真凛」




光にぃから手を離し、優姫さんは笑った。




茶色のふわふわとしたウエーブがかかった
髪に、同じ色をしたカラーコンタクトの入った瞳。160ほどの身長に、歳は30代くらいだろうか。




「おおきくなったな、お前達も。聖里奈は副総長だもんな」




翔太さんは、聖里奈と真凛の頭を撫でて笑った。釣り上がった切れ長の瞳に、外ハネした黒髪と、180を超える身長は威圧感を思わせる。




「フフ、まぁね」



聖里奈さんは、嬉しそうに笑った。





……光にぃが俺や翼にぃの頭を撫でるのって、この人譲り?





「…翔太さん、来るならこの前の電話で言ってくれればよかったじゃないすか」



靴を脱ぎ始めた翔太さんに、光にぃはぼやく。



「いやー、驚かせたくて……ついな。
それに、光輝の家族ってのも気になったからなぁ……」




「そうそう。さっきなんて翼咲モールで見かけたんだけど、あの子女の子と仲良く手なんか繋いじゃって、初々しくて可愛かったぁ!!




それじゃ、お邪魔するよー」



優姫さんは思い出したように言い、



靴を脱いで家に入ってくる。






うわっ、こっち来ちゃうし!



廊下から足音が聞こえてきて、俺は慌てて
リビングにあったソファの前に隠れた。