「……いつの間にか、少しは大人になってたんだなあいつも」





俺は小声でいい、長袖Tシャツの上を脱いで半裸になった。







風邪をひかないために一応部屋の暖房をつけて、



自分の体を見る。





「………結局、傷は消えなかったからな」





俺の体は、はっきり言えば妖斗より酷い。




俺があいつが売色をしてると見抜いたのは、シンナーもそうだが、一番はあいつの傷跡のつき方だった。




傷の付き方が、俺とは何か違う気がした。その身体は、……綺麗だった。痕が身体中についていても、腹や足に縫われた跡があっても、隙間から見える肌は陶器のように白くて……それはまるで、精密に作られた人形のようだった。





対して俺の体は顔と首を除いた体中に真っ黒いアザが出来ていて、今もそれは、俺の心をいとも簡単に縛り付ける。







時々、アザが鎖みたいに見えてくる。







父親はいつでもお前をまた捕えられるんだぞ
って言われてるみたいな錯覚に陥るんだ。