光輝が妖斗の部屋のベランダに入る。光輝は無言でズボンの左ポケットから煙草を取りだし、もう片方のポケットに入っていたライターを使って、それに火をつけた。


「ハー」



煙草を1つ吸って息を吐いたところで、光輝は語り出す。




「……俺も、昔はお前らみたいに拾われた側だった。俺は、白龍の初代総長に助けられて、今ここにいんだよ」




俺と妖斗はベランダの近くにあるベットに座ってその話を聞いた。



そんなこと、想像もしてなかった。




顔を俯かせ、光輝はゆっくりと言葉を紡いでいく。




「俺の父親はさ、所謂DV男で、幼稚園とか小学生の時から俺は母親が殴られたり蹴られたりするのを毎日のように見てたわけ。






まぁ、あんなん父親だと思ったこと一度もないし、何度その状況みて怖いと思って泣いたかわかんない。






……でもさ、今でも思うよ。そのまま母親にだけDVが続いてた方がマシだったんじゃないかって。




……こんなこと考えんの親不孝なのは分かってるけどよ。