「……その話をするなら、妖斗にも聞かせないといけないな。お前だけに話すのはフェアじゃないだろ? ついてこい」



光輝は立ち上がり、妖斗の部屋へ向かった。




「……ん、光にぃ?翼にぃまで、どうしたの?」



ノックをすると妖斗は鍵を開け、
部屋の前にいた俺達を見て不思議そうな顔をした。




「……妖斗、今日は楽しかったか?」




「……うん」




妖斗は、小さく頷く。




「俺達のこと、信じれそうか?」




光輝は部屋に入り、目の前にいる妖斗にそっと声を掛けた。






俺も続けて、部屋に入る。






「……わかんない。………俺はわかんないよ。誰を信じてよくて、誰を信じちゃいけないのか」






極度な人間不信は、そう簡単に直ったりしない。




俺だって、出会ったばっかの頃は光輝を疑ってた。







「それじゃあ、悩んでるお前らに昔話を1つ。





昔昔、DV家庭で育った子供がいたそうな……」






光輝は、そう言ってどこか憂いを帯びた瞳をして笑った。