「……ただいま」
鍵を開けて家に入り、ダイニングルームに行くと、そこには光輝がいた。
「おっ、翼咲。デートはどうだった?」
「……普通」
「お前、なんかあっただろ?」
歯切れが悪いのを不審に思ったのか、
光輝は、俺の両肩を揺さぶった。
「……っ、うっさい!」
「はぁ。……1回落ち着け。
もうすぐ妖斗が風呂から出てくる。お前、またあいつに怖がられたいのか?」
ため息を吐いた光輝は、口をへの字に曲げて、そんなことを言ってきた。
「……ごめん」
「ん。とりあえず後で話聞いてやるから、妖斗の後に風呂行って、頭でも冷やせ」
光輝は、俺の頭を雑に撫でた。



