「……悪い、桃華。帰るわ」 俺は桃華から離れ、立ち上がった。 「……翼咲も、好きにしていいよ。クリスマスも初詣も。……病院、無理して来なくたっていいから」 桃華は、俺に笑いかける。 「違う!!無理なんかしてないっ!!俺はあんたが……っ」 言いたかった言葉は、何故か声にならなかった。 「ダメだよ。……そこから先は、言っちゃダメ」 そう言われ、俺は逃げるように病院を出た。