「随分騒がしいなぁ。……桃華、そろそろご飯だよ」



ガーン。



空我先生が病室に入ってきて、そんなことを言い放った。



タイミングがくっそ悪い。





「あ、空我先生。分かりました、持ってきていいですよ」





「そ?それにしても、あの病院嫌いの翼咲が見舞いに来るなんて、桃華は随分気に入られてるんだな?」





空我先生は、随分とニヤついた顔で問題発言をぶちかました。


「…………」



俺は、思わず何も言えなくなった。



ま、マズい。




桃華には、そのこと話してなかったのに。






「え、翼咲って病院嫌いなの?」




「いや、えっと………」




疑うような顔をした桃華から目をそらし、


俺は歯切れ悪くなりながらも



次に言うべき言葉を頭で考えた。






いや、返す言葉がねぇ!!





「嫌い、なの?」




桃華は俺のニットの首元を引っ張り、顔を覗き込んできた。








「………そうです、ハイ」







卑怯者がぁ……。




そんなことされて嘘なんか付けるか!!