「桃華!!」




病院に走っていき、受付で名前を書いて、桃華のいる702号室の2人用の病室へ俺は直行した。



「あれ、翼咲?どうしたの?」




桃華は本を読んでいた。




ボブの黒いストレートの髪をなびかせて、
文庫本を閉じ、屈託のない笑顔を俺に向ける。






「……ク、クリスマス、俺と遊ぶか?」






どもった。






「あれ、パーティは?」




クリスマスパーティの話を入院していた時にしたのを覚えていたのか、桃華は不思議そうな顔をする。



「俺が桃華といたいから断った。お前どうせ暇だろ?」



なんでこう言う言い方しかできないのか、
不器用な自分に少し腹が立つ。



「どうせ暇だろって、好きで暇してるわけじゃありませーん!!でも、いいよ。遊ぼう!翼咲」





桃華はそんな俺の態度なんて気にもせず、
天使のように笑う。







……ホント、かわいい。