嫌な予感がする。





「クククっ、仲良いなぁ随分」



予感的中。


恐る恐る後に振り向くと、そこには


やっぱり楽しそうに笑う光輝がいた。





「……悪いかよ」




「いーや、悪くない。
翼咲、クリスマス桃華と遊んでこい。
これやるから。真凛の服も返品してな」





そう言って光輝は背中に隠していたのか、真凛用のスキニーが入った袋と、俺に五千円札を渡してきた。



「えっ、……なんで」




驚愕の声を出した俺の頭を、光輝は撫でた。



「翼咲、楽しめよ人生。愛を知らないお前が、やっと好きな子できたんだ。それはすげぇいい事だし、これからその子とどうなってもお前の良い経験になるのは変わりない。
……行ってこい」








光輝を見上げると、そいつは嬉しそうに笑っていた。





「……っ、ああ!俺、桃華のとこ行ってくる!」




つい、泣きそうになった。




あぁ。



本当に、兄貴ヅラされるの調子狂う……。