俺はファミレスを出て、外で通話に応じた。




「桃華?何?」




《あ、出た。私さ、翼咲に言いたいことあって》



桃華がテンション高めの声を上げて言ってくる。


「言いたいこと?」




《うん!退院おめでとう》




電話越しから、桃華の嬉しそうなが聞こえてきた。




「ハァ……お前わざわざそれ言うために電話したのかよ」



俺は思わず、ため息を吐いた。




やめろよそんなん。



……期待するだろうが。






《人がせっかく祝ってるのにその態度は何よ》




「うっ。………まぁ、ありがとう」



嫌そうな声が聞こえてきたので小声でそう返すと、桃花は、一際大きな声で叫んだ。




《えー聞こえなーい!!》





「いや、お前ガッツリ聞こえてるだろ」




《テヘッ、バレた?》






お転婆な声を上げて、桃華は笑う。






「………桃花、俺初詣お前んとこ行くから」






頬を赤らめて、俺は素っ気なく言い放つ。






《友達とかと一緒じゃなくていいの?》







「………お前が俺が年越しに一番一緒にいたい女だから言ってんだけど?」



《えっ》




「……こんなこといわすんじゃねぇよこのバカ桃華」






鈍いのがムカついたので、俺は腹いせに罵倒してやった。