ブーブー。




「あ、桃華から電話来たわ。俺ちょっと出る」






翼にぃは、逃げるように席を立って外に出ていった。








「クク、あいつが恋かぁ……」







光にぃは、随分と嬉しそうに笑いながら言った。




「真凛、お前には申し訳ないんだが、あいつクリスマスその女と過ごさせてもいいか?




お前宛てのプレゼントは返品して、翼咲には改めて好きな奴宛のプレゼントを選んでもらおうと思う」









「アハハ!申し訳ないも何も、あたしはプレゼントなんて、この妖斗から貰えれば充分!!」






少しだけ躊躇いがちに言い放った光にぃの言葉を、真凛さんは軽やかに笑い飛ばした。






続けて俺の頭を撫でて、頬を赤くした俺に笑いかける。





何かに焦るかの如く、心臓が音を立てた。










………やっぱり、好きとかよくわかんない。








でも、俺は……この人のことを気になっているのかもしれない。