「ふーん?じゃあ、私の相手してくれるなら、今日の夜は好きなもの作ってあげる」 「本当ですか?ありがとうございます」 とりあえず口角を上げてそう言ってみたはいいが……好きなものね。 そもそもファミレスに行ったこともないこの俺が好きなものなんて言われてもなぁ……。 唯一頭に浮かんできたのは、幼い頃母親が作ってくれたカレーライスだった。 なんでしっかり覚えているんだ。 ……もう会えないんだから、さっさと忘れろよ。