「……なぁ光輝、さっき妖斗にすれ違ったんだけど」





翼咲は俺を見て、そんなことを言う。






「ああ、実の兄の見舞いに行くって」







「それ、確かなのか?
……妖斗、泣きそうな顔してたぞ。
光輝、副総長命令だ。妖斗を追え」




痛む右腕に手を当て、翼咲は俺を睨みつけた。




「は?、どういう意味だよ」





「理由なんて行けばわかる!いいから早く!!」


俺は怒鳴る翼咲の迫力に押され、全速力でエレベーターまで走った。