「あいつ、泣いたのか?」





俺は思わず真凛の肩を揺さぶって聞いた。





「うん。なんか無理しなくていいよって言ったら、正気失って泣き出したよ。
今、それで泣き寝入りしちゃってるの。






壁の前に座って寝ちゃってるから、ベットまで運んであげて?」






まさか、真凛が一番最初に妖斗に懐かれるとはちょっと予想外だ。





……俺が拾ったのに。




少しだけイライラした。



「わかった」



俺はそれを悟られないように下を向いていい、妖斗の部屋へ向かった。






「光輝、もしかして嫉妬してる?




まぁ、
せいぜい頑張ってね? お・兄・ちゃん」





語尾に音符がつきそうなほどのもはやウザイような声を上げて、真凛は俺の家を出た。






あいつは~っ!




総長を弄ぶなよ……。