「泣きたい時は、泣いていいんだよ? 辛いなら辛いって、言っていいんだよ? ……妖斗、自分に嘘ばっかつかないでよ。 すごい見てて悲しくなるんだもん。 本当は、信じたいんでしょ?」 俺は真凛さんの胸ぐらを押し、床に押し倒した。 「てめぇに俺の何がわかんだよ、ああ? ……ウザいんだよ。無駄にお節介焼いて、変なとこで気ィ利かせて、俺に嫌な記憶ばっか思い出させて」 ほとんど、大嘘だった。 善意か同情か知らんが、世話焼かれたのも嬉しかったし、詮索してこないのも有難かった。