渋々色素の薄くなったカレーを食べると、
案外美味しかった。







「……まぁ、悪くない」






「ちょっと、この前みたいにちゃんと美味しいって言ってよ。あの時の妖斗可愛かったよ?」






頬を膨らませ、真凛さんは抗議する。






「………信用してない人を褒めたりなんかしねぇ」






俺がそういうと、真凛さんは立ち上がり、俺の横へ歩み寄ってきた。






思わず座ったまま後ずさった。が、勉強机もない部屋の中ではすぐに壁に追い込まれ、俺は女に壁ドンをされるような状況になった。





「ねぇ、妖斗……もうそういうのはやめにしよ?」








悲しそうな顔をして、躊躇いがちに真凛さん
は言った。




「……っ、何の話だよ」





女の顔が至近距離にあるからか、体が震え出した。