「ゲホッ、ゲホッ!!」






部屋の中央に置かれたテーブルの上にトレーを置き、カレーを1口食べると、俺は予想外の辛さに咳き込んだ。





麗羅さんが作ってくれたカレーは味が全くしなかったけど、
これはきちんと味がして、5歳の時に甘口を食べた記憶しかない俺には普通に辛かった。





「あ、やっぱり中辛ダメなんだ?



牛乳持ってきといてよかったぁ~」






俺の真正面に座った真凛さんは楽しそうに笑い、俺のカレーにちょっぴり牛乳をかけた。





「……これ、美味しいの」





茶色の色素が薄くなったカレーを、
俺は訝しげに見つめた。




「少なくともさっきよりは辛くないと思うよ?」





真凛さんがニヤニヤしているのが癪に障った。



これ、

どう考えても馬鹿にされてるだろ。