「ほんと、吉田って暗いよなー。

ちょっとは、明るくしろよー。」

「本当だよねー!キャハハ!」

いつも通り、バカにされていて。

それを悔しくても、唇を噛み締めて耐えていると、

「なあ、それやめれば?

かっこわりー。」

「「「え?」」」

みんなが驚いて、私も

「え?」

だって、私を庇ってくれる人なんて居ないと思ってたから。

「中山くん?急にどうしたの?

吉田なんて、庇わなくてもいいんだよー?」

「吉田″なんて″?

そういうところが、カッコわりーんだよ。

人を見下して、自分の価値を上げてさ?

ほんと、ダセーよな。」

いつも、笑っててみんなのムードメーカー的な存在の中山くん。

それなのに、すごく怒って見えた。

「中山くん、ごめんなさい。」

そう、1人の子が謝る。

「違うだろ?

吉田さんに、謝れよ。」

「「「吉田さん、ごめんなさい!」」」

みんなに、突然謝られて。

どうしたらいいのかわからなくて。

「あ、大丈夫だから!

あ、ありがとう。私もごめんなさい。」

それから、みんなと話せた。

とても、嬉しくて。