屋上に着くと、

「何?」

「今日、一緒にデートしない?」

「は?なんで?」

「だって…」

ああ、覚えてないんだ。

「とりあえず、無理だから。」

そう言って、私に背を向けて屋上から出ようとする。

もう、無理だ。

「待って!」

「なんだよ…「別れよう。」

「は?」

「付き合ってないと思ってたかもしれないけど、私は付き合ってる気でいたから。

しっかり別れようと思って。

ごめんね、めんどくさくて。

もう、話しかけないから。

だから、別れよう。

もう、疲れちゃった。

じゃあ、バイバイ。」

走って、屋上から出た私。

その時、気づかなかった。

「柚鈴!」

って、叫んでいたことに。