お母さま……?
お妃さまは林檎を差し出したまま、ぽかんと固まりました。
お母さまとは、生前の王妃のことか。
まさか生きていた……!? いや、墓に供えるということもある……。
意外な言葉にお妃さまは混乱して、慎重に問いかけました。
「可愛いお嬢さん、お嬢さんのお母さんは林檎が好きなのかい?」
ひどい猫なで声でしたが、白雪姫はやっぱりにこにこ笑って答えます。
「いえ、お好きかどうかは分からないの。恥ずかしい話なのだけれど、今まであまりお話したことがなくて。ただ、本当に美味しそうだから、差し上げたら喜んでくださるかしらって思ったのよ」
あまり話したことがない……?
それでは正妃ではないでしょう。
今まで、ということは、物心ついてから今までずっと、ということです。白雪姫を産んですぐに亡くなった正妃であるはずがありません。
それではまさか、まさかわたくし……!?
そう。お妃さまは、いじめていた白雪姫からお母さまと呼ばれるなんて、思いもしなかったのです。
お妃さまは林檎を差し出したまま、ぽかんと固まりました。
お母さまとは、生前の王妃のことか。
まさか生きていた……!? いや、墓に供えるということもある……。
意外な言葉にお妃さまは混乱して、慎重に問いかけました。
「可愛いお嬢さん、お嬢さんのお母さんは林檎が好きなのかい?」
ひどい猫なで声でしたが、白雪姫はやっぱりにこにこ笑って答えます。
「いえ、お好きかどうかは分からないの。恥ずかしい話なのだけれど、今まであまりお話したことがなくて。ただ、本当に美味しそうだから、差し上げたら喜んでくださるかしらって思ったのよ」
あまり話したことがない……?
それでは正妃ではないでしょう。
今まで、ということは、物心ついてから今までずっと、ということです。白雪姫を産んですぐに亡くなった正妃であるはずがありません。
それではまさか、まさかわたくし……!?
そう。お妃さまは、いじめていた白雪姫からお母さまと呼ばれるなんて、思いもしなかったのです。