親友を裏切りたくないから。 二人には幸せでいてほしいから。 俺は、偽善者だよ。 そう思っているんなら、振り払えばいいのに。 いつだって俺は、罪悪感を抱えながら、そうしようとはしない。 ただ……。 紗枝の言葉にだけは、耳を貸さない。 貸してしまったら、最後だ。 なにもかもが崩れてしまう。 だから……。 つながれたこの手の温もりだけは、許してほしいんだ。