「来いよ。ありがとな、部屋かしてくれて」 「……もう、いいのか?」 「あぁ」 満足そうに笑う亮太。 十分という時間のなかで何があったのか、なんとなく分かったような気がした。 自分の部屋なのに。 俺は亮太に言われ、しずしずと部屋の中へと入って行った。 テレビの前にちょこんと座っていた紗枝。 彼女は俺を見て、にこりと笑った。