思いなおして、俺はリビングに戻ろうと踵を返した。 クリスマスなんだ、今日は。 何度も自分にそう言い聞かせながら……。 「……あれっ、直樹?」 リビングに行こうとした俺を、驚いたように呼び止めたのは亮太の声だった。 振り返ると、部屋のドアから顔だけをひょっこりと出した亮太がいた。 「どこ行くんだ?」 「いや、邪魔かなと思って」 遠慮がちに言う俺に、亮太は手招きをする。