「だ、…誰だよ!?」





震えた声で叫ぶ佐野くんは私から距離をとる。








そうだよね。




得体の知れない女が、…自分に危害をもたらすかもしれない女が同じ部屋にいるんだもんね。




怯えて当然だ。






でも、



「ごめん。いきなりびっくりさせちゃって」






みんなの真剣な表情を思い出すと、なにがなんでも佐野くんの女嫌いを克服させてあげたい…なんて思っちゃうんだよね。







「……」




私を警戒して動かない佐野くん。









「私と少しお喋りしてみない?…あ、嫌だったら私ここでしばらく独り言を言っちゃうけど」