信じられないくらい、穏やかな気持ちになれた。



苦しんで苦しんで...苦しんだその先にあるのがバッドエンドでも。


心が解放されるなら、彼にとってはハッピーエンドなのかも。


もう...思い出すことさえ忘れてほしい。


これから蘭君には...幸せになってもらう予定なんだから。




「彩羽、明日行きたいところがあるんだ。
お前もついてきてくれないか?」



地球を1周する勢いで彷徨ってみても
結局住んでるアパートに戻ってきちゃった。


もうちょっと一緒に居たかったんだけどなー...。



「もちろん大丈夫だよ。
どこに行くの?」


「行ってからのお楽しみ...。
まあ、あんまり楽しい場所でもねえけど」


「...蘭君と2人ならどこだって...楽しいよ」


「はっ...モノ好きだな」




もっともっと笑ってほしい。


本気で言ってるのに、冗談と受け捉えて笑う彼の顔が大好きだ。


蘭君が口角を上げれば、私だって自然に上がっちゃうんだ。