わたしと専務のナイショの話

 なんでだろうな。
 そんなことを言われた覚えはないのだが……と思いながら、

 もう大丈夫です。
 帰りますと言おうとしたとき、

「悪かった」
と京平が言ってきた。

 え? と振り向く。

 京平はこちらを見ずに歩きながら言ってくる。

「すまん。
 俺は最近、お前が好きすぎるから。

 お前からしてみれば、焦る俺がきっと怖かったんだな」

「いえ……、すみません」
と自分も謝り、のぞみは言った。

「でも、私は――

 今は、違うことが怖いです

 いつまで、専務がそんなこと言ってくれるのかなって」

 すると、京平は即座に言ってくる。

「一生に決まってるだろ」

 なんの迷いもないその言葉に京平を見上げて、のぞみは言った。

「……決まってるんですか?」

「決まってる」
と言い、京平は手をつないできた。