わたしと専務のナイショの話

 ひとり、もそもそ片付けていると、
「もうすぐ着く」
と連絡が入った。

 のぞみは慌てて下まで降りる。

 すぐに玄関ホールに入ってきた京平がのぞみに気づき、
「なんで降りてきたんだ。
 危ないじゃないか、夜遅いのに」
と文句を言ってきた。

 だって、寂しかったんです……とのぞみは思う。

 さっきは出ていってくれて、ちょっとホッとしたけど。

 すぐにそれを後悔するくらい、やっぱり、専務が居ないと、寂しかったんです。

 そう思いながら、のぞみは京平を窺うように見上げた。

 そんなのぞみを見ていた京平は溜息をつき、
「少し歩くか」
と言ってきた。

 え? と京平を見上げる。