わたしと専務のナイショの話

 少し話したあとで、溜息をついて切る。

「わかったぞ。
 新婚旅行ってのは、新婚の夫が簡単に職場に呼び出されないために行くんだな」

「いや……、違うと思います」

 結局、京平は、
「すぐ戻るから」
と言って、仕事に出て行った。

 自分も秘書だし、ついて行こうかと言ったのだが、
「疲れてるだろうからいい。
 荷物でも片付けてろ」
と言われてしまう。

 呑んでいたので、会社から車を回してもらったようだ。

 京平が行ってしまった部屋の中は妙に、しんとしていた。

 寂しいではないですか……とカーペットの上に座ったのぞみは思う。

 二人きりであることだとか、新婚だとか。

 強調されると緊張してしまうので、やめて欲しいが。

 京平が居ないとやはり寂しい。