わたしと専務のナイショの話

「あら、京平じゃない」

「そして、何故、気づく……」
と呟く京平の許に、伽耶子(かやこ)たちの一団がやってきた。

 お食事をしたあと、最近、リニューアルした図書館を眺めに来たらしい。

「あら、のぞみさん。
 みなさん、これがうちの嫁よ。

 のぞみさん」

 苗字はお忘れのようだ、と思いながら、
「坂下のぞみです」
と立ち上がり、頭を下げると、

「まあ、可愛らしくて、上品なお嫁さん。
 いいわねえ。

 うちの息子なんて、まだまだ、ひとりの方が気楽だとか言って」
とひとしきりマダムたちのお話が続く。

 そのうち、
「お邪魔して、ごめんなさいね」
と言って、みんな、遠慮してか、離れたテーブルに行ってしまった。

 だが、時折、視線が飛んでくる。