わたしと専務のナイショの話

 なんだか猿がたくさん居そうなイメージだが、東京湾に浮かぶこの無人島には猿など居ない。

 というか、無人島と言いながら、観光客であふれかえっているのだが……。

「あと、うさぎ島とか」

 瀬戸内海に浮かぶ、うさぎ島こと、大久野島(おおくのしま)には、本当にうさぎがいっぱいだ。

 そこはちょっといいかも、と思ったが、少し気になることがあった。

「あとは――」

 待った、とのぞみは手を挙げる。

「あとは、軍艦島か、友ヶ島でしょう」
と言うと、

「何故わかった……」
と言われる。

 どれも有名な廃墟スポットだからだ。

 好きなんだな、そういうの……。

「じゃあ、静岡に行こう。
 吊り橋を渡りに」
と京平は突然言い出す。

「いや、貴方も私も高いとこ苦手なのに、どうしたいんですか……」