わたしと専務のナイショの話

 そうでしたっけね? と思いながら、のぞみは言った。

「ところで、私が御堂さんへの愛を告白したら、なんで私の方が飛ばされるんですか」

 普通、そこは、御堂さんを飛ばさないだろうか、と思ったのだが。

「そりゃ、御堂の方が使えるからだろ」
とあっさり京平は言ってくる。

 仕事の上では、鬼ですな、と思っていた。

 あんなに好きだと言ってくれているのに。

 ……いや、そんなに言ってくれてはないか。

 いつもなにやら、挙動不審なだけで。

 などと考えていると、京平が、いきなり、
「そんなことより、旅に出よう」
と言い出した。

 突然、JRのキャッチコピーでも言い出したのかと思ったが、

「日帰りならいいだろう?
 何処がいい?」
と京平は訊いてくる。

「えっ、そうですねえ」

 日帰りなら、旅に出るのもちょっといいかな、とのぞみは思った。

 春の日差しにきらめく海を横目に見ながら、湾岸沿いをドライブするイメージだったのだが。

「俺は、猿島とか言ってみたいな」
と京平は言う。

 猿島!?