わたしと専務のナイショの話

 なんでだかわからないが、と思いながら、苦笑いしていると、
「ほら、あんたも一緒に食べなさい。
 今日は一口ヒレカツよ」
と浅子が言う。

 また料理を褒められたのか、浅子は機嫌よく京平と話していた。

 そのまま和やかに食事をしたあと、
「じゃあ、あんたの部屋にでも行ってきたら?
 珈琲持っていってあげるから」
と気を利かせてか、浅子が言ってくる。

「ありがとうございます。
 じゃあ、珈琲いただいたら、失礼しよう。

 すみませんね、お母さん。
 連絡がとれなくなったもので、心配して来てしまいまして」
と京平はソフトに微笑むが。

 ……なにかこう、欺瞞(ぎまん)の匂いがする、とのぞみは思っていた。

 すさまじく嫌な予感がするから、二階には行きたくない、と思ったのだが、そのまま京平に連れていかれた。