わたしと専務のナイショの話

 素敵な王子様は現れたけど。

 別に運命的な出会いでもなく、うちの学校に転勤して、やってきただけだし。

 結婚することにはなったけど、恋には落ちてないし。

 第一、

 ……この王子、本当に私を好きなのか、疑わしいんだが。

 だって、私、なにもこの人に好かれるようなことしてないしっ。

 ヘタレの、まだ全然使えない新入社員だしっ。

 と京平が聞いていたら、
「よく自己分析ができてるじゃないか」
と言ってきそうなことを思う。

 そのとき、京平が、
「ちょっと車とめて歩くか」
と言い出した。

「お母さんたちにも連絡してあることだし」

 まめな京平は、のぞみの親への連絡を欠かさない。

「まず、馬を射なければな……」
とのぞみの家に連絡しながら、京平は呟いていた。

 お父さん、お母さん、馬とか言われてますよ。