「見て。芦沢がカラー描いてるんだって」
原稿用紙には天音くんが描いた可愛いキャラクターたちがいた。すごく色鮮やかで、どうやってこのマーカーで色を塗ったのってくらい生き生きとした絵だった。
「あれ、この女の子って、私のノートに描いてくれた子と似てない?」
「うん。あの時なにも考えずに描いたんだけど、けっこう可愛く描けたから漫画のキャラクターとして出そうかなって」
「えーそうなの?名前は?」
暗かった気分はどこへやら。すっかり私はいつもの調子に戻っていた。
私と天音くんがあれやこれやと会話をしてる間、なにやらなぎさ先輩は椅子に座って、片方の上履きを手になにかをしている。
「っていうか、紺色のマーカー勝手に使わないでくださいよ」
天音くんは呆れながらも、奪い取ったりはしなかった。
「ごめん。つい描きたくなっちゃって」
先輩が自分の上履きに描いていたのは紺色の星マーク。それを丸く囲めば、まるで先輩がいつも履いているスニーカーのようになった。
「わあ、可愛い」
思わず前のめりになってしまった。



