心にきみという青春を描く



六畳くらいの空間には大量のキャンバス。イーゼルに立て掛けられているものもあれば、乱雑に床に詰まれているものもあって、どこを見渡しても絵ばかり。

窓際には一応ベッドと丸テーブルがあるけれど、それ以外は本当に絵に埋もれてしまうんじゃないかってくらいの数で。

しかも床にはブルーシートが敷かれていて、そこにもまた描きかけのキャンバスが寝かせた状態で置かれていた。


「す、すごいですね……」

部屋というよりアトリエみたいだ。


「ね、引くでしょ?」

「引くというか……」

この空間に圧倒されてしまう。


キャンバスの存在は知っていたけれど、こんなに様々なサイズがあるのは知らなかった。

片手で持てるぐらい小さなものから、天井まで届きそうなくらい大きなものもある。

絵に飲み込まれそうと思ったのは初めてだ。


「これ、クジラですか?」

私は一番大きなキャンバスを指さす。

先輩は青色の絵の具しか使わないというイメージだったけれど、部屋にある絵はどれもカラフルで、このクジラもそう。