心にきみという青春を描く




「私こそごめんなさい!弁償します!」

しかもよく見たらこの絵の具……。先輩が一番よく使ってる色だ。清々しい空の色と同じコバルトブルー。

「いや、いいよ」

「よくないです!どこで売ってますか?」


近所のホームセンターにあるだろうか。でもあそこは文房具コーナーの一角に絵の具があるだけだし、先輩が学校のアクリル絵の具を使わずに自分の絵の具を使っていることは知っていた。


「なぎさの絵の具は高級だよ」
 
そこへ手を洗いにきた松本先輩。

「こ、高級ですか?」
 
思わず声が上擦った。


「うん、6千円」
「ろろ、ろ……」

うまく声が出せずに慌てていると「バカ。600円だよ」と、なぎさ先輩がため息をついた。


6千円じゃなくて安心したけれど、ひとつの絵の具で600円は普通に高い。その事実を知ったらますます弁償しないと気が済まなくなってきた。


「すぐに買いにいってきます!」

いつも使ってる色だからないと明日から困るはずだ。「大丈夫だよ」「ダメです」をお互いに繰り返して、松本先輩が一言。


「じゃあ、帰りにうちに寄ればいいじゃん」

……うち?その言葉の意味はすぐに分かった。