心にきみという青春を描く






次の日の朝。今日はスマホのアラームはちゃんと起動した。お母さんの仕事が休みだったので、リビングに下りた時にはすでにお弁当を作ってくれていた。


「いってきます」

私は朝練習もないのに早めに家を出る。


学校に着いて私が向かうのは、もちろん美術室。ドアを静かに開けるとそこには……ほら、なぎさ先輩の姿。


いつもならすでに絵を描きはじめているのに、今日は少し違う。

西日が当たる棚の上に寄り掛かるようにして座り、目を瞑っていた。


……もしかして、寝てる?


また暖かすぎて居眠りをしてしまったんだろうか。私は足音をたてずにゆっくりと近づいた。


なぎさ先輩は穏やかな顔をしていた。

男子なのにまつ毛が長いし、肌も白くて透き通っている。まるで先輩自体が一枚の絵画のようだ。


切り取って部屋に飾りたいなんて思ったら、さすがに気持ち悪い?けれど、本当に先輩の寝顔が綺麗だったから。


「……ん」

と、その瞬間。先輩がわずかに動いた。そして「あお……」と寝言を言っている。


青?まさか夢の中でも絵を描いているのかな。

そんな寝言に微笑んでいると、瞑っていたはずの先輩の瞳が開いた。


「あれ、なつめ。来てたんだ」

目を擦りながら先輩は両手を上に伸ばす。