心にきみという青春を描く



部活に来なかったこともそうだけど、昼休みに見てしまったあの光景が気がかりで仕方ない。


「大丈夫?」

「なにが?」

「えっと……」

パンを買わされていたことや、天音くんとは合わなそうな友達たち。でも私が目撃したことなんて天音くんは知らないし、なんて気遣えばいいか迷ってしまった。


「部活のこと?漫画を自由に描けないなら美術部に入ってる意味はないし、近々退部するよ」

「え、なんで?やめないでよ」

漫画を描いちゃダメなんて誰も言ってない。

それに部活に来ない天音くんを先輩たちは咎めなかったし、放っておいているというよりは、天音くんの気持ちが落ち着くまでそっとしている雰囲気だった。


「みんないい人たちだよ。今辞めちゃうなんてもったいないよ」


話してみれば天音くんにも先輩たちの優しさや居心地の良さが分かるはず。


「月岡さんってさ。そうやって僕に親切に声をかけることで、自分が気持ちよくなってるだけでしょ?」

「そんなことないよ。ただ私は天音くんが心配で……」

「心配なんて頼んでないよ」


ギロリと睨みつけたあと、天音くんは足早に私から離れていった。