私はみんなの頑張っている姿を思い浮かべながら、美術室の前に立った。
半年前、私はこのドアの前でひどく緊張していた。
自己紹介がうまくできるのか。美術部に入ってやっていけるのか。
不安と期待が入り交じって身体はガチガチになっていた。
そんな頃を懐かしいと思えるということは、私も少しずつ成長できている証なのだろう。
――ガラッ。私はゆっくりと美術室のドアを開けた。眩しい西日が射し込んできたのと同時に光の中にいる人物がくるりと振り向く。
「おはよう」
なぎさ先輩が太陽よりも温かな顔で笑った。
「おはようございます」
先輩は現在、また次のコンクールに向けて作品を描いていた。見知らぬ男の子を描いているので誰なんだろうと思っていたら、どうやらモデルは三宅さんらしい。
先輩の目に映すと猫の三宅さんはこんなにも美少年になってしまう。やっぱり先輩の感性は唯一無二なので、この先も好きな絵を好きなように描いていってほしいと思う。



