心にきみという青春を描く




「な、なぎさ先輩。あの、合宿でした約束覚えてますか?美術展に出品した絵が返ってきたら貰ってくれるって話」


松本先輩が自分の机へと戻ったタイミングで、私は声をかけた。

もう数えきれないほど先輩とは話してるはずなのに緊張してしまっている。


「今、軽く下絵だけ済んだところなんですけど、少し見てもらえませんか?」

「出品するのはなつめでしょ」


あれ……。さっきまで松本先輩とは楽しそうにしてたのに私とは目も合わせてくれない。


「え、えっと。ちゃんとできてるか確認してほしくて……」

「モチーフを見て描いたんでしょ。それでちゃんとできてなかったらそれはなつめの力不足だよ。俺が確認したってどうにもならない」

なぎさ先輩はそう冷たく言って流し台へと向かった。


先輩、それはちょっと露骨すぎじゃないでしょうか。

視線も声も態度も、明らかに私を避けようとしている。


昨日、過去の出来事を打ち明けたことで、気まずくなってしまいましたか?

それとも告白して振られたので、優しくしたら勘違いさせると思ってますか?

先輩が理由なく、冷たくする人じゃないことは分かっていた。


でも……そんなにいきなり態度を変えなくてもいいでしょ?


優しくない先輩は初めてだったら、ビックリしてあとを追いかけることもできない。