心にきみという青春を描く




「こんなこと言ったら無責任だけど、先輩はずっと絵を描く人でいてね」

葵が俺のほうに歩み寄ってきた。座っている俺と対面になるように立ち、膝の上にあった俺の手を掬(すく)いあげるようにぎゅっと握る。


「私、世界で一番先輩の絵が好き。たくさんの人の心を動かす力があるし、作品を通してこれから色々な人と繋がっていけると思う」

重なっている手が、暖かくて優しくて愛しかった。


「だから全日本のコンクールは絶対に賞を獲ってね!もしかしたらそれが先輩にとって大きなスタートになるかもしれないでしょ?」

葵はニコリと笑ったあと、再び俺の横に座った。


その凛とした横顔と背後でゆらゆらと揺れているひまわり。それが本当に綺麗で美しくて、描きたいと手が疼く。


俺はカバンからスケッチブックを取り出して、気が付くと無我夢中で葵とひまわりをスケッチしていた。