それはレジャースポットなどがたくさん載っている本で、見開きには一面のひまわり畑が写っている。
「こういう場所に行ってインスピレーションを受ければ絶対にいい作品が生まれると思うんだけどどう?」
説明文には約30万本のひまわりが植えてあると記載されていて、たしかにすごく綺麗だと思うけど……。
「つーか、お前が行きたいだけだろ?」
日向が頬杖をつきながら言った。
「そう、私が行きたいの!ちょっと遠いんだけど快速に乗っちゃえば一時間半くらいだし、入場も無料なんだって」
「でもお前、この前の中間が悪すぎて母さんに遠出禁止って言われてなかった?」
「お兄ちゃんさすが!問題はそこ!」
葵の声が大きくなり、クラスメイトたちが一斉にこっちを見たけれど本人は気にしていないみたい。
「実はね、もうお母さんにお願いして許可はもらってるんだ。だけど条件があってお兄ちゃんが一緒に行くならいいって」
「は?」
「お兄ちゃんもどうせまだ描くものは決まってないでしょ?だからお願い。一緒に来て!それで先輩と三人でひまわり畑に行こうよ」
葵は何度も日向に頭を下げていた。
このままだと授業のチャイムが鳴っても引き上がらなそうな雰囲気だったので、最後は日向も渋々と了承して、今週の土曜日にみんなでひまわり畑に行くことになった。



