心にきみという青春を描く




「さすがにまずいですよ!」

うちの学校に警備員がいるかどうかは定かではないけれど、万が一、防犯セキュリティが作動してしまったら大変なことになる。


「昨日も入ったから平気だよ」

と、いうことはこの窓も先輩が事前に鍵を開けておいたに違いない。


「なつめに見せたいものがあるんだ。だから早く」

「……え、私に見せたいものですか?」


こくりと頷いた先輩にエスコートされるように、私は校舎の中へと入った。


廊下は真っ暗で怪しげな非常灯の明かりだけが怪しく光っている。土足はさすがにまずいので靴を脱いで、先輩の後に付いていった。


先輩が足を止めたのは、見慣れた部屋の前。暗闇に浮かび上がっているのは【美術室】の文字。

先輩は猫のストラップがついている美術室の鍵を鍵穴に入れて右側に回した。


……私に見せたいものってなんだろう。

先輩のことだから私をからかうように脅かしてくる可能性も考えられる。


中には石膏像も並んでるし、誰かが描いたモナリザの絵もある。怖いのだったらイヤだな。絶対に大きな声で叫んでしまいそう。


「なつめ、目つぶって」

私は必死で恐怖心と戦っているのに、先輩は煽るようにそんなことを言った。