心にきみという青春を描く




「離してください……!」

やっと手を振りほどくことができたのは、近くの公園に着いてからだった。掴まれていた手首は赤くなっていて、私は日向くんを射るように見た。


「なんなんですか、本当に」

こんなに力強く掴まれたのも乱暴な扱いをされたのも初めてだから、恐怖すら感じていた。


「べつにてめえみたいな女、取って食ったりしねーから安心しろ」

日向くんはそう言ってベンチに腰かける。私はまだ警戒しまくりなので、距離を取りながら様子を伺っていた。


「成南って、そんな芋くさい学校なの?」

「どういう意味ですか?」

「だってお前、すげえ芋っぽいじゃん」
 
「なっ……」


まだ会って間もないのに、どうしてこんな失礼なことが言えるのだろう。ビックリというより唖然としてしまう。

こんな人がなぎさ先輩と知り合いだなんて到底思えない。でも、知り合いじゃなかったら、先輩はあんなに悩むような顔はしない。


「……なぎさ先輩と、どういう関係ですか?」

「親しくしてた、昔は」

「信じられません」


すると、日向くんはおもむろにスマホを取り出して画面をスクロールしはじめる。

そして私に見せてきたのは、なぎさ先輩の写真。まだ幼くてあどけなさが残る顔に、思わず『可愛い!』と言いかけたけれど、なんとか制御することができた。